蒲田のマッサージ師

ごめんなさい!!!



東アラブの民よ、副交感神経はつながっているか?


「蒲田のマッサージ師」


新人社員の頃によばれていたあだ名。マッサージが大好きで、仕事中、暇を見ては同期の誰彼なく肩をもんで歩いていました。その頃は蒲田在住だったので、気がつけばそんな呼び名が。実際に眠りこけるやつまでいて、腕には自身があります。


無論、されるほうも大好きで、世界各地、ありとあらゆるマッサージを体験してきました。街角のクイックマッサージから、最高級ホテルのスパまで。おそらく、出会ったマッサージ師は百人はくだらないと勝手に自負しています。その中でも、記憶に残る体験を紹介したく、少し書いてみました。


1.NYのチャイナタウンにひっそりと居を構える中国人のおばあちゃんによる足つぼマッサージ
片言の日本語で語りかけてくるのですが、これが秀逸。足つぼは、体に悪い場所があると対応する足の裏の場所に反応します。これが痛い。で、とても痛いリアクションをすると、それが体のどの部分に対応しているのか親切に教えてくれるのですが、おばあちゃんはいつもニヤニヤしながら、「アナタ、頭ワルイネ」といいます。いろんな意味で、カチンときますが、よく聞いてみると、頭の使いすぎとのこと。「これ以上頭使わせないで」とおもってしまう。でも、終わったあとは、心底気分爽快になるので、虜となりました。おばあさん元気かな?


2.台湾で友人達と行ったマッサージ館
蒸しタオルで全身包まれ、ほわーってしたところで、3人がかりでもみくちゃに。俺は点心か?でも、極楽とはここなんだと実感する世界。オプションで耳掃除までしてもらい、旅の疲れなどどこへやら。LOVE台湾。


3.南カルフォルニアのリゾートホテルにあるスパ
都会的な雰囲気を残しつつ、リゾート感が充分堪能できるスパ空間。太平洋を望むプールなんかもついていて、ゴージャス気分満点。マッサージも丹念で、ハリウッドのセレブになった気分♪


4.東麻布の足つぼマッサージ
マッサージ師の全てが肌つやつや。中国茶やお菓子も出してくれて、思わず長居してしまう。足の塩もみ付で肌も引き締まり、足のむくみが嘘のようにとれる。海外出張からの帰りは、銭湯経由で必ず直行してました。


5.田町の雑居ビルに入っている、タイ古式マッサージ
TV局の知り合いが勤めてくれたのですが、朝まで営業していて、予約をしなくてもいつでもいける穴場。タイ古式は、ストレッチと按摩のあわせ技なのですが、体が堅い私は、いつもストレッチが苦難。関節技をかけられる勢いで、思わずマッサージ師さんの腕をタップ(ギブアップのサイン)してました。


数え上げれば「きり」がないのですが、その中で得た経験から、最近はその人を見るだけで、マッサージのうまさがおおよそ解ってしまうほどに。私的なチェックポイントは、


ひとつ、手足が短い - 体重を効果的に手の先に伝えることができる。
ひとつ、中肉中背 - 軽くてもだめ、重すぎてもだめ。適度な体重付加とバランス移動。
ひとつ、手のひらの厚みと大きさのバランス - 特に親指の付け根あたりの盛り上がりがある人はGood!
ひとつ、つめや肌が綺麗 - 健康で無い人が他人を健康にできるものですか。
ひとつ、姿勢がよい - あくまでマッサージは力のバランス感が命なので、正しい動きが出来る人は姿勢もよい。
ひとつ、指が太い - 押されている面積が大きいので、より気持ちいい。


以上、思うところをだらだらと挙げてみました。是非、お試しあれ。なお男性・女性については、特に好みはないのですが、基本的には力のある男性がよいと思っています。というのも、10の力で押すにも、100%の体力を使うのか、50%の力を使うのでは、50%のほうが、余裕もあり、より的確に按摩ができるので、こちらも安心して身をゆだねることが出来ると思っています。


さて、ここからが本題。いま、LAで通っているマッサージ師さんは、上記のほとんどを備える、まさにマッサージをするために生まれてきた人。リトル東京の片隅で、ひっそりと営業しているユキさん。街をふらふらと歩いていて、飛び込みで入ったお店。初めて見たときの印象は、「あ、ピグモン」(ほんっと、ごめんなさい!!)。


基本的に自分の生活サイクルの中に、マッサージを入れているので、いったんうまい人を見つけると、体が辛いときも、またそうでないときも、定期的に同じ人におねがいし、体の状態をつぶさに観察しています。


で、つい昨日の話。朝起きてみると、どうも背中のあたりが鉛のように重だるい。週末に引越しの準備やらで荷物を動かしていたので、筋肉痛かとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。そういえば、ここ数日、食事らしい食事もしていなかったっけ。仕事をしていながらも、体に力が入らず、かなり危険な具合に。「あ、やばい。胃だ。」


普通、医者に行こうと思うはずなのですが、なぜか一番に頭に浮かんだのが、ユキさんの姿。仕事もそこそこに、駆け込んでみる。ユキさんには胃のことは何も言わず、「辛いです」とだけ伝えてみる。ユキさんも平日に姿を現す私に驚きながら、万事了解。通常通りマッサージをしている途中、ふと手を止めて、「胃だね」と。さすが。


すると、仰向けにされて内蔵のマッサージ。かなりの初体験だったのですが、腹部を順番にこね回されて、まるでうどんのよう。押されるたびに、体の中の悪い空気が外に飛び出していく感じ。「どうですか?」と聞かれ、おもわず「ぎもじいいですー」と返すと、ユキさん大爆笑。「今日は水を飲んでたっぷり寝てください」と帰り際に言われ、そういえば、数日間ほとんど寝ていなかった自分に気づく。そして、いつもより倍の時間もマッサージしてもらったのに、料金はいつもと同じ。「いや、払います!」といくら言っても、「良くなってもらいたいだけなので、結構ですよ」と。なきたくなる台詞。


次の朝、昨日のことが何事もなかったような体の軽さ。恐るべし施術。日本に連れて帰りたいと、本気でおもう瞬間でした。


本日のギャフン

  • 店の片隅にユキさんの特集記事が記載された「LA Times(ロサンゼルスの最大手新聞」を見つける。ただモンではなかった。:300ギャフン


注)「ギャフン」:驚愕の気持ちを表す単位。良くても悪くてもよい。

1ギャフンは、おおよそ、赤星の盗塁成功、もしくは、川相のバント成功ぐらいの驚き。