Lesson 4 - 失速


「飛べない豚は、ただの豚さ」


この台詞が心の端に引っかかり、はや十年以上。そして、この一年間はLAに島流し。一念発起、合法的に「空飛ぶ」免許を取ることにしました。


飛行訓練も4回目。普通に飛ぶ練習も必要ですが、さらに重要なのは非常時の対応。


ということで、今回のレッスンポイントは非常時の対応方法初級。マット教官のお手本中心。もちろん、テイクオフや練習空域までの通常飛行はほとんどこちらが担当。計器の見方、基本操作は大分板についてきた。


さてさて、練習空域に入り、実技スタート。1つ目の操作は失速。飛行機のスピードをできる限り遅くして、機首を思いっきり持ち上げる。ほら来た、G。たとえると、ブランコに乗って前面の最高点に来た感じ。アルプスの少女、ハイジは気持ちよさそうにブランコ乗っているけど、高度1,500メートルを飛んでいるセスナで感じる気持ちは、ちょっと仰け反る。


脂汗が浮いた刹那、すかさず機首を下ろし、スロットルをあげる。そもそも、失速とは、飛行機の翼の上下を流れる空気の流れがバランスを崩し、揚力が無くなる状態。ということで、あわてず騒がず、完全にコントロールを失なってしまわないよう、翼に風が当たるよう調整。あくまでも、あわてずに。何度か試していると、機体の復元力(元に戻ろうとする力)が割りと強く、結構ビビル状況でも、意外ともとに戻せるようです。


第2の実技は、エンジン停止。あまり起こって欲しくない話だが、さて練習。さすがに、練習中には実際にエンジンを切りませんが、エンジンの回転数をアイドリングの状態まで落とし、ほぼストップ状態にします。大切なことは、

1. Aviation
2. Navigation
3. Communication


まずは、Aviation。機体のコントロール。マット教官曰く、エンジンが止まったくらいでパニックなってはだめとのこと。ましてや人に助けを求めるまえに、まずは、自分で状況打開。エンジンが切れても、機体のコントロールさえうまくできていれば、グライダーのように安定して飛ぶことができるので、事後処理の時間も稼げます。ということで、まずは機体の速度、角度を調整し、安定飛行へ。うまくいくと、かなり安定して飛べることに驚き。


そして、Navigation。安全に不時着できそうな場所を捜索。一般的には畑やゴルフ場。海際だと、海岸線などらしいです。人がいたらゴメリンコ。


最後に、Communication。まずは機体とCommunication。「どこが悪いのかな〜」なんてのりで、いろいろとチェック。トラブルシューティング。原因が分からず、いよいよ不時着を決心したら(練習ではしませんが)、管制塔に「メーデー!、メーデー!!、メーデーっ!!!」。そう、映画等では、パイロットがすぐに叫んでいるようですが、実際には、非常時にもできるだけ自分で状況の把握・打開をしてから他人に助けを求めるということです。ま、助けを求めてもどうしようもないので、あくまでも自分がしっかりしないといけないということ。


最大の敵はパニック。そういえば、ポルコロッソも飛行時はとても冷静沈着だったな。。。



本日のフライト時間:1.1時間


注記)上記のテクニカルな内容は勉強中でもあり、記載されている情報に誤りがある可能性もあることを、あらかじめご了承ください。もし、間違いに気づかれた際は、どしどしご指摘ください。