Lesson 0.5 - 手続き

この人も同じ空港で訓練中らしい



「飛べない豚は、ただの豚さ」


この台詞が心の端に引っかかり、はや十年以上。そして、この一年間はLAに島流し。一念発起、合法的に「空飛ぶ」免許を取ることにしました。


前回書ききれなかった、学校選び→初レッスンまでの手続きについて。


学校を選んだので、「じゃあ、すぐにレッスン」というわけには行きませんのです。


外国人が米国でパイロットのレッスンを受けるまでには、Federal Aviation Administration (FAA:アメリ運輸省航空局)による、Alien Flight Student Program (AFSP)というものに、合格する必要があります。


これは、テストではなく、いわゆる身元調査のようなものであり、アメリカでは、「September 11」(全米同時多発テロ)以降、テロの実行犯がアメリカの飛行訓練学校で教習を受けていたこともあり、外国人が免許取得する際には非常に詳細な身元説明資料を提出し、怪しい人物(ここでは「悪の枢軸国に関係」するとでも言っておきましょうか)でないことを確認することが義務付けられたようです。


ホームページ上で出願することができるのですが、質問項目は多岐に渡り、受講する学校、受講内容、学歴、職歴、家族構成は当然ながら、「過去10年間に3週間以上滞在した住所すべて」や、「過去5年間の海外渡航先すべて」、「過去10年間に取得したパスポートの写しすべて」など、記憶の糸をすべて手繰り寄せたとしても、到底書ききれないような内容で、とても疲れました。


また、書類をパスすると、今度は指紋を提出する必要があるのですが、専門の指紋取得機関に出向いて、両手すべての指の指紋を取らなければならず、完全に犯罪者状態です。結局、すべての手続きが完了し、レッスン受講可能の許可書(Eメール)が手元に送られるまで、一ヶ月以上かかりました。


ちなみに、米国に飛行機訓練目的で滞在する場合必要になるビザにはこの証明書がまず、必要になると言うことらしいです。


とにかく、結果的には私の周辺には「悪の枢軸国」関係者はいないようでした。