Lesson 8 - カミカミパイロット

つっこまんといてな、管制官



「飛べない豚は、ただの豚さ」


この台詞が心の端に引っかかり、はや十年以上。そして、この一年間はLAに島流し。一念発起、合法的に「空飛ぶ」免許を取ることにしました。


曇り空を縫って、久しぶりの練習。離陸、旋回、着陸等基本的な操作はだいぶとマスターしてきたところ。ということで、今までどちらかと後回しにしていた、通信の練習に突入。


大空は広く、「どこを飛んでてもいいジャン」と言いたいところですが、そうは問屋がおろしてくれません。いや、問屋ではなくFAA(Federal Aviation Administration:連邦航空局)です。普通に車で街を走るのと、いやそれ以上にこまごまなルールがあり、管制塔の人たちと絶えずコミュニケーションをしながら飛ばないといけません。「それでもいいじゃん、俺は鳥だし」といってもいいのですが、撃ち落されます。確実に。


実際、ちょっと前のフライトレッスンの時には、教習所の受付のところに周辺地域の地図が置いてあり、その地図の中心のところに大きな円がかかれ、「午後2時から7時まで進入禁止」とあったので、受付のアレックス君に、これ何?と聞いたところ、「大統領がLAに来てるので、周辺地域は侵入禁止。冗談抜きで撃ち落されるからご用心♪」とアメリカンジョークを飛ばしてました。


さて、今日の本題に戻りますが、練習の中心は管制塔との交信です。滑走路まで地上を移動するとき、離陸するとき、着陸するとき、何かアクションをとる際は、必ず管制塔に連絡をし、許可を得る必要があります。伝えるべき内容は以下の4つが基本。

1.交信相手への呼びかけ
2.自分の機名
3.現在所在地
4.許可して欲しい行動


例えば、これから離陸しようとする場合、
「サンタモニカ管制塔、こちらセスナ1234、21番滑走路手前、離陸後海岸線を北東に向かいます」てな感じ。

すると、ヘッドホンの向こうから、
「セスナ1234、離陸許可します」といった返事があります。

そして、さらに確認のため、
「セスナ1234、離陸します」と返事します。


と、一息で言ってしまえば簡単に聞こえますが、これが英語で、しかも相手は早口。エンジン音はうるさいは、あちこちスイッチいじりながら、機体の操作をせなけりゃならん。さらに、ヘッドホンの向こうでは、管制官と他の飛行機との交信が矢継ぎ早に流れているので、声掛けするタイミングひとつ取れん。縄跳びに入れない感じ。


オロオロしながら、やっとタイミングをつかんだと思い、おもむろにマイクのスイッチを入れて、管制官を呼び出そうとして「こちら21番滑走路。。。」


お前誰やねん。。。


教官マット君、隣で大爆笑。こちらも笑うしかない。


先が長い。


本日のフライト時間:1.4時間


注記)上記のテクニカルな内容は勉強中でもあり、記載されている情報に誤りがある可能性もあることを、あらかじめご了承ください。もし、間違いに気づかれた際は、どしどしご指摘ください。